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レスベラトロールが持つ驚きの美容効果

近年、さまざまなメディア等でも注目を集めている「オートファジー」は、私たちに病気や老化のリスクの軽減など多くの恩恵をもたらします。

オートファジーを活性化する成分のひとつとして「レスベラトロール」が話題です。(ここでは「トランス-レスベラトロール」のことを略して「レスベラトロール」と表記しています。)
レスベラトロールはポリフェノールの一種で、特にブドウや赤ワインに多く含まれています。

本記事では、レスベラトロールがなぜ美容効果を発揮するのか、そのメカニズムとオートファジーの関係、さらにウロリチンとの効果増強作用について詳しく解説します。

レスベラトロールの摂取方法や効果的な活用法、具体的な研究結果についてもご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。

>> オートファジーとは何か? UHA味覚糖が世界一わかりやすく解説

レスベラトロールとは

レスベラトロールはポリフェノールの一種で、抗酸化作用が非常に高いことで知られており、特にブドウの皮や種、赤ワイン、ブルーベリー、ピーナッツの薄皮などに豊富に含まれています。

1992年、レスベラトロールが大きな注目を集めるきっかけとなった出来事がありました。フランスの科学者セルジュ・ルノー博士が、フランス人は日常的に脂肪の多い食事を食べているのにも関わらず心臓病死亡率が低い(この現象には「フレンチパラドックス」という名前が付いています)のは、大量に赤ワインを飲んでいることが関係していると発表したのです。

この発表をきっかけに世界中でワインブームが巻き起こりましたが、その後、赤ワインにはレスベラトロールが含まれていることがわかり、これが心疾患予防に貢献しているのではないかと考えられ始めました。

さらに、2006年にはマウスを使ったレスベラトロールの長寿効果を確かめる実験が行われ、哺乳類でもカロリー制限なしでサーチュイン遺伝子を活性化させる働き(つまり長寿効果)がレスベラトロールにあることが明らかになりました。この成果は科学雑誌「Nature」でも論文掲載され、ますますレスベラトロールへの期待が高まることとなったのです。

>> サーチュインと老化についてさらに知りたい方はこちら「サーチュインが老化を抑制する仕組み」

レスベラトロールの美容効果

レスベラトロールにはさまざまな美容効果があることが報告されています。これらの効果はヒトによる実験によって裏付けられています。

それらの研究報告には、紫外線からの保護、皮膚の再生促進、コラーゲン合成促進、炎症の軽減、しわの減少など、非常に多岐にわたってその効果が示されています。さらに、これらの効果がどのように発揮されるのかについての研究も進められており、その一つにレスベラトロールがオートファジー活性を促進する働きがあることも挙げられています。

レスベラトロールの美容効果:皮膚の再生の促進 コラーゲン合成の促進 レスベラトロール 紫外線からの保護 しわの減少 炎症の軽減

オートファジーが持つ美容効果-光老化の抑制

ここで、オートファジーが持つ美容効果についても見てみたいと思います。

日々の生活を営むなかで、私たちの細胞はさまざまな損傷リスクにさらされており、その一つに「光老化」があります。これは、紫外線によって皮膚細胞がダメージを受け、しわやシミ、たるみが生じる現象です。

一方、オートファジーには細胞内で古くなったり壊れたりした細胞内成分を分解し、再利用する働きがあり、十分にオートファジーが機能することで肌を若々しく保つことができます。

無防備に浴びた紫外線が引き起こす炎症やコラーゲンの過剰な分解を抑制することにより、しわ、たるみを防いだり、また過剰に生成されたメラニンを分解することでシミを防いだりするという光老化から肌を保護してくれるのです。

>> オートファジーが美容に期待されるわけ

オートファジーによる光老化(シミ、しわ、たるみ)の抑制

>> オートファジーが美容に期待されるわけ

UHA味覚糖が注目するレスベラトロールのオートファジー活性

UHA味覚糖では、大阪大学との共同研究においてオートファジーの作用が始まると赤く光るように見える細胞を利用し、約120種類の食品成分を細胞に添加してその反応を調べました。その結果、最もオートファジー活性を高めた成分はレスベラトロールであることが明らかになりました。

このことから、レスベラトロールはそれ自体が美容効果を有しているだけでなく、オートファジーを活性化させることでも美容効果を発揮する、非常に優れた成分であることがはっきりしました。

レスベラトロールが添加され、オートファジーが活性化して赤く光る細胞群。(青緑色は各細胞の核)

「オートファジー活性」の棒グラフ 約120種の食品成分の中で、最も高いオートファジー活性を示したのはレスベラトロールだった。

レスベラトロールとウロリチンの効果増強作用

もう一つ、UHA味覚糖の研究成果からお伝えします。レスベラトロールと、ザクロやベリー、クルミなどのナッツ類に含まれるウロリチンAはそれぞれオートファジーを活性化させる働きがありますが、これらを併せて機能させると、単独で機能させた場合の合計値(理論値)に比べてオートファジー活性がさらに高まる(実測値)という効果増強作用が発見されました。

これらの研究成果は、私たちのオートファジーへの理解を深めてくれ、サプリメントやさまざまな製品の開発にも活かされていきます。

まとめ

レスベラトロールは、その強力な抗酸化作用とオートファジー活性作用によって、細胞レベルで美容や健康をサポートします。そして、ウロリチンAとの効果増強作用により、その働きはさらに高まることも期待されます。

日々の生活のなかでレスベラトロールの摂取を心がけ、健康的なライフスタイルと組み合わせることで、いつまでも美しく健康な暮らしに役立てたいですね。

◆参照文献
- Kamil Leis, Karolina Pisanko, Arkadiusz Jundziłł, Ewelina Mazur, Kaja Mêcińska-Jundziłł, Henryk Witmanowski, Resveratrol as a factor preventing skin aging and affecting its regeneration, Postepy Dermatol Alergol. 2022 Jul 15;39(3):439–445.

- Jingwen Ma, Yan Teng, Youming Huang, Xiaohua Tao and Yibin Fan, Autophagy plays an essential role in ultraviolet radiation-driven skin photoaging, Front Pharmacol. 2022 Oct 6:13:864331

サーチュインが
老化を抑制する仕組み

体内で重要な働きをしているタンパク質はアセチル化されると、その機能が変化します。

例えば、遺伝子を巻き付ける役割を持つヒストンというたんぱく質がありますが、特定の部分のアセチル化が起こると、まきつきが緩み、遺伝子が読み取られるという仕組みがあります。
しかし、老化した細胞では、不適切なアセチル化が進み、老化を促進するような遺伝子の読み取りが行われてしまいます。

サーチュインは、そのような不適切なアセチル基を取り除く、脱アセチル化を行うことで、細胞の健康を保つ役割を果たしています。

さらに、サーチュインの活性化は、

・様々な代謝
・DNA修復
・細胞のストレス耐性

などを調整する効果をもたらし、結果的に老化の抑制に寄与すると考えられています。

サーチュインの老化抑制の仕組みのひとつ「脱アセチル化」:不適切なアセチル化がDNAの巻きつきをゆるめ老化因子を発現させる サーチュインが不適切なアセチル基を取り除き、遺伝子読み取りを正常化する

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